日本財団 図書館


 

が7割を越えていると出ていました。この点も、私たちの指導の問題として解決していかなけれはならないのではないでしょうか。次々と解決しなければならない課題は山積みしていますが、要は学校では、スポーツを通して文化人を育てるという感覚が重要ではないでしょうか。私たちは今後も部活動の指導を続けることを前提としつつスポーツ文化人として子ども達が大きく育つことを念頭に更に論議を重ね、着実に実践せねばと強く感じながら私の感想とさせていただきます

 

宮本先生 今のお話にもあり、資料にも込められています、中学生・高校生のスポーツ活動に関する調査に、委員として私も参加していますので、その立場として、今日いろいろお伺いしたこと等の課題については、委員会でも報告し、協議していただこうと思っております。というのも、調査をするときに、部活動の本当の姿、実態、つまり部活動等を発展させるため先生方の考え方の本音の部分を知りたいと、私は常々考えておりました。
調査をしてきますと、マスコミなどは、焦点を週5日制に合わせてきて、1週間に7日も部活動をしているのが7割もあるのはおかしいという意見が出てきます。部活動の意義・必要性については、先生も保護者も認めていて、学校教育として行なってもよいと考えている。さらに今後、学校教育で行うか社会体育で行うかということになると、保護者やその他の学校外の人たちも学校でやれというわけです。社会体育に移行すべきだというのは、教員に一番多い、その次は校長です。
なぜそうなるかというと、これは現実をふまえて考えているからです。現実というのは、今、部活動は放課後を使って行なっているわけですが、先生方の負担が、非常に増大してきているということです。そこで、もう一度、部活動の性格を考え直す必要があるということが1つあげられるでしょう。そして、子どもたちの選択の幅が広がった、やりたいことがたくさんある中で、その選択の1つとして部活動を考えるならば、学校教育として可能な範囲を追求していかなければならないと思います。現代に合った部活動の在り方を模索していかなければならないと思うのです。
今日の発表やまとめは、新しい部活動の在り方の方向づけとして、付け加えることがないくらい、きちんとした方向性が出されているので、これをふまえて、すべての地域で現実に実行可能かどうか、地域の実態と合わせて考え、応用していく必要があると思います。
学校におけるいくつかの問題点があげられていましたが、まず、週5日制については、学校ではなく、社会的な情勢のなかで、行政として実施すると決めたわけです。土、日の休日を家庭あるいは地域社会で、ゆとりをもって生活するという趣旨です。その趣旨を徹底させるために行政としては、土曜の午前中は公的な機関が生徒を集めて何かをするという活動、とくに学校でする活動は自粛しましょうという方向が出たのです。しかし、先ほど意見が出ましたように、大会等の日程を考えると、むしろ土曜は実施して、日曜が休みという方が自然ではないかというような考えもあるでしょうし、それが進むと、休日の過ごし方を自由に選択するという面からは問題があるということになります。週5日制のなかで、部活動をどのように存在させていくかということについて、いろいろな提言をいただき、考えていかなければならないと思います。
社会体育との連携ということですが、学校教育として大きな意義があり、歴史があるわけで、いろいろな情勢からみて移行は簡単ではない。学校のスポーツ性からみて、施設等もふくめて、学校が中心であるということはまちがいないわけで、どれだけ相互乗り入れができるかということを考えなければならない。外部指導者についても、たいへん進んでいるが、制度化し、保障費等を予算化するのは、文部省も予算を組んでいるが、学校を設置している地方の教育委員会

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION